こういうのすごくツボです。音的にはいわゆるニューウェーブ系、「ニューオーダー」なんかとけっこう似てます。デビューはかなり前で(おそらく80年代前半)
オフィシャルページによれば今でも活動を続けているそうです。以前から名前くらいは耳にしていたのですが、ここまでハマリだとは思いませんでした。web上で偶然
耳にしたのですが、もうほとんど一耳惚れ(?)みたいな状態です。追って詳細情報を伝えていきたいとおもいます。
1970年代にデビューしたイギリス出身のロックバンドの中には今なお伝説として語り継がれている素晴らしいバンドが沢山あります。クイーン、レッド・ツェッペリ
ン、ザ・ジャム、ディープ・パープル、ザ・フー、10cc、クラッシュ。今回紹介する「XTC」も1970年代イギリス出身のバンドの一つです。アンディー・パートリッジ(Vo,G)、
コリン・ムールディング(B)、テリー・チェンバース(Dr)、バリー・アンドリュース(Kb)からなる「XTC」は1978年、アルバム「ホワイト・ミュージック」で
ヴァージンレコードからデビューしました。そのサウンドを言葉で説明するのは大変難しいのですが、あえて言うなら少々ひねくれた職人芸的ブリティッシュ・ロック
といった感じです。そもそもブリティッシュ・ロックと呼ばれるもの自体がアメリカのそれと比べ、サウンド、歌詞ともにひねくれたものが多く、そうした見地から見
ればむしろこの「XTC」は正統的といえるのかもしれませんが・・・そういったことが原因しているのかは判りませんがこのバンドは一般リスナーよりむしろプロ・ミ
ュージシャン(特に日本人)に大変支持されています。具体的に挙げると「奥田民生」、AIR「車谷浩司」、グレイプ・バイン「西川弘剛」、ムーン・ライダーズ「鈴木慶一」、
「高野寛」等日本のプロミュージシャンたちが、XTCのファンであるということは割とよく知られている事であります。また、最近ワイドショーなどで話題になった、
元「ジュディ・アンド・マリー」のギタリスト「TAKUYA」もプレイスタイル・アレンジング・リフメイキングにおいてXTCのアンディ・パートリッジから多大な影響を受けた
ことを公にしています。さらに、XTCは歌詞に独特の世界観があり、そういった点でもプロ・ミュージシャンから支持を得ているようです。私は、音楽を聴くときにあまり歌詞
には注意せずにサウンドのみを聴くほうですが、そんな私ですら、XTCの曲を聴くときには必ず歌詞カードを読みながら聴きます。残念ながらノン・ネイティブの我々日本人には
その複雑な言葉遊びのすべてのニュアンスを理解するのは大変困難ですが、少々頑張れば、その御伽噺を思わせるファンタスティックな世界観に彼ら独自の「毒」を盛
り込んだ不思議な歌詞世界を英国人でなくとも十分に堪能できると思います。
正直こういったアーティストは、かなり好みが分かれるかと思います。事実、世界の至る所に少数の熱狂的なファンを抱えながらも、一般的な認知度はほとんどないと
いってよいでしょう。「最新のデジタル技術を導入」とか「世界に名だたる凄腕スタジオミュージシャンを起用」などといった言葉にはもっとも縁のない人たちです。「ヒット
を飛ばすことには目もくれず、イギリス、コッツ・ウォルズ地方はスウィンドンの田舎町にあるスタジオでただひたすら自分達の納得のいく作品を家内制手工業的に作り続け
るロック職人達」といったとこでしょうか・・・お金の力にものをいわせ、世界最高水準のプロデューサーやスタジオ・ミュージシャンを起用し、人気テレビ番組、映画と
タイアップし、発売前から数百万枚のセールスを見込んで製作される音楽も、それはそれで素晴らしいのですが、こうしたXTCのようなバンドが地味ながら、デビューから
25年以上たった今もかたくなにそのスタイルを守りながら活動を続け、少しずつ確実にファンを増やしているという事実を知って少しほっとするのは多分私だけではないはずです。
今日は、いつもと少し趣向を変えて「ガービッジ」について書きたいと思います。かなり有名なバンドですので、今更説明は不要のような気もしますが、このバンドの歴史
は名プロデューサー*「ブッチ・ヴィグ」と、当時イギリスで「エンジェル・フィッシュ」というバンドのヴォーカリストとして活動していた「シャーリー・マンソン」の出会
いから幕を開けました。当時、デューク・エリクソン、スティーブ・マーカーとともに新しいバンドのヴォーカリストを探していたブッチ・ヴィグは、偶然MTVの番組「120 MINUTES」
で流れていたエンジェル・フィッシュのシングル「SUFFOCATE ME」のPVを見、シャーリーの歌声と、そのグラマラスなルックスに一目(一聴?)惚れ、早速シャーリーに
コンタクトを取り、意気投合、アメリカはウィスコンシン州マディソンの「スマート・スタジオ」でファーストアルバムの制作に入ります。一見、「名プロデューサーに見出された
無名歌手のシンデレラストーリー」のように見えますし、実際、バンドのデビュー当初、そのように報道するメディアもありました。しかし、その報道は明らかに間違いであることが
その後のシャーリーの活躍を見ればわかるでしょう。その美しい外見に似合わない、人間の深層心理を深く抉るような歌詞を紡ぎ出す作詞能力、スタイリッシュな体型に不思議と
マッチする独特のファッションセンス、ライブにおける圧倒的な存在感(それもそのはず、デビュー時のシャーリーは外見からは想像できないがすでに20代後半、10代半ばからバンド
活動を続けていたベテランなのだ)を備えたシャーリーは、ポップ・アイコンとしての役割を十分に果たし、敏腕プロデューサーや、他のベテランミュージシャン達と対等にわたり
あえる存在です。
個人的に非常におすすめなのが、セカンド・アルバム「version.2.0」。デビューアルバム「G」から4年と1ヶ月を経てリリースされたこのアルバムは前作より一層ポップでヒットチ
ャートを意識した仕上がりになっています。実際現在までに600万枚のセールスを記録し、数々の音楽賞を獲得しています。それまで、「ニルバーナのネバーマインドをプロデュース
した人」と一般的には認知され、「ブッチといえばグランジ、オルタナ系」という世間の先入観に捕らわれ気味だったブッチが、「今本当に作りたい音」を作った意欲作で、そうい
ったポジティブなパワーに満ち溢れている様に感じられる作品です。
*ブッチ・ヴィグ・・・米国ウィスコンシン州生まれ。ニルヴァーナ『Nevermind』、ソニック・ユース『Dirty』、スマッシング・パンプキンズ『Siamese Dream』等、90年代
オルタナ名盤アルバムのプロデュースを手がけた名プロデューサー。
最近のカナダ出身女性アーティストの活躍は非常に目覚しく、有名どころだけでも、セリーヌ・ディオン、シャナイア・トゥウェイン、ノラ・ジョーンズ、アラニス・モリセ
ット、サラ・マクラクラン、アヴリル・ラヴィーン等、枚挙に暇がありません。今回取り上げようと思うのが、「ネリー・ファータド」。基本的にはポップ・ミュージックにカテ
ゴライズされ、デビュー・アルバム『Whoa, Nelly!』は全世界で600万枚というビッグヒットを記録したネリーですが、そのサウンドはロック、ブレイクビーツを主軸としながら
もどことなくアーシーで、トラディショナル、民族音楽的な雰囲気も感じられる不思議なもので、最近流行りの所謂「女性ポップアイドル」的な人たちとは明らかに一線を画す
存在であります。また、製作のほとんど(作詞、作曲、プロデュースの一部)を自らこなすあたりにも、他の女性アーティスト達には見られない、マニアックで、玄人受けする
要素を持ち合わせているように見受けられます。その独特な音楽性の形成には、やはり彼女の出身地カナダと、その両親が深く関わっているようです。 カナダという国には
ヨーロッパ系の移民が多い事は既によく知られている事でありますが、彼女の人種的ルーツはポルトガルにあります。父親にポルトガルの民族音楽「ファド」のミュージシャン、
母親にシンガーを持つネリー・ファータドは1978年12月2日、カナダ西海岸のブリティッシュ・コロンビアに生まれました。幼いころから自らのルーツであるポルトガルのダンス
や歌を学びながらもロック、R&B、ジャズ、サンバ、ボサノヴァ、ラップ等、ありとあらゆる音楽に親しんでいたネリーは、高校卒業後、カナダ産ヒップホップの発信地、トロント
に移住し、まずはMCとして活動を開始します。前述のように、沢山の移民を抱えるカナダでありますが、中でも特にトロントは、一つの都市の中に多数の民族が生活しており、
それぞれのコミュニティーが隣接しているそうで、そうした環境のなかで音楽活動を続けていたネリーにとって、強いアイデンティティーを持ちながらも自分を取り巻く環境に
溶け込む事は自然な事であったようです。
さて、アルバムの紹介ですが、つい先日セカンドアルバム「フォークロア」が発売されたばかりで、管理人の都合上(要するに忙しくて聴くひまがなかったのです)まだそ
のサウンドを聴いていません。しかし、せっかくですのであえてセカンドアルバムの紹介をさせていただきます。アルバム収録曲については、まだ聴いていないのでなんともい
えませんが、先行シングル「パワーレス」を聴いた感じでは、前作の基本的な要素を踏襲しつつ、よりいっそう自らのルーツに近づいた音作りがされているようで、かなり期待
が持てます。またゲストに、ブラジル音楽の巨匠カエターノ・ヴェローゾ、バンジョー奏者ベラ・フレック、インキュバスのマイク・アインジガーやベックの作品などでドラム
を叩くジョーイ・ワロンカーを招いており、その若手とは思えない渋い人選にも彼女のただならぬ音楽的キャパシティーの広さが感じられます。