むかぁしむかし、ある所に、 おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんはとっても働き者で、 毎日朝早くから夜遅くまで、 畑を耕していました。
ある日、おじいさんはいつものように、 畑で仕事をしていました。 と、1個の大根の種を拾いました。 「はて、こんな所に大根の種とは珍しいのぅ。」 「烏などが落とした物だろうか?」
おじいさんは不思議に思いましたが、 せっかくだったのでその種を植えてみる事にしました。
次の日、おじいさんはおばあさんと一緒に畑に行ってみると、 昨日植えた大根の種から、さっそく芽が出ていました。
二人は、何だか面白くなって、 その日からは一緒に大根を育ててみる事にしました。 と言っても、畑仕事や家事をサボるという事はしませんでした。
あれから何日経っただろうか… 大根はすっかり大きくなり、 二人の体の12.46倍はありそうなほどにまで成長しました。
おじいさんとおばあさんは、大喜びして、 さっそく大根を抜いてみる事にしました。
もっと大きくなるのを待ってもよかったのですが、 さすがにこれ以上大きくなると、 他の作物が育たなくなるかもしれない? と思ったからでした。
「うんとこしょっ。どっこいしょっ。うんどこどっこいっ、よいこらしょっとっ。」 しかしながら、二人がどんなにがんばっても、 大根は抜けません。
二人は息子である大輔を呼んで、 3人で引っ張る事にしました。 「うんとこしょっ。どっこいしょっ。えっさっえっさっ、よいこらしょっ。」 それでも大根は抜けません。
と、ここで大変な事が起きました。 「うんちくしょっ。どっこらしょっ。よいこらしょっ。どっこい…」 グキッ! おじいさんは叫びました。 「ぎ ぎ ぎっくり腰じゃぁぁぁぁ!」
かくして、おじいさんは病院に送られ、 二人は困り果ててしまいました。
正直、このまま続けていくと、 おばあさんも危ないと思いました。
しかし、あの大根は何としても抜かねばなりません。 というわけで、二人はじっくり考えました。
ある日、大輔は畑に向かいました。 そして、大根の前までやってきて、こう言いました。 「た 大変だぁ。毛虫の大群がやってきたぞぉ。」
するとどうでしょう? 今までだんまりとしていた大根が 突然揺れ動き始めました。 そして、一人でに抜けてしまったのでした。
なにはともあれ、こうして13.19倍にまで肥大化した大根は抜け、 ぎっくり腰から復活したおじいさんと3人で、 大喜びしましたとさ。
おしまい
戻る