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| ←前月 | 2日 | 気になる、だから読んでしまう
【オートフィクション】金原ひとみ(集英社) |
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| 6日 | 爽快に!・・・・?
【天使と悪魔】ダン・ブラウン(越前敏弥訳・角川書店) | ||
| 11日 | イギリス風お笑い
【比類なきジーヴス】P・G・ウッドハウス(森村たまき訳・国書刊行会) | ||
| 24日 | 最近本を読む気力が減退しているような気がする
【球形の季節】恩田陸(新潮文庫) |
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気になる、だから読んでしまう 金原ひとみが気になるのだ。金原ひとみが好きだ、というのとは違う。なんとなく気になる。注目している、というのとも違う。とにかく気になるのだな。 最初に読んだ「蛇とピアス」は、衝撃的な内容とは裏腹に、文体がとても素直で、その矛盾というか、とっ散らかっているようでまとまっている不思議な雰囲気に、まあ芥川賞もアリかなあという気になった。 そして新刊。「オートフィクション」である。 それにしても、リンというキャラクターは「どうぞ勘弁してください」と言いたくなるような、自己中心的で自尊心が高く、しかも我儘で人のことはどんな理由があっても自分勝手な行動は許さず、しかし自分のすることにはことごとくその理由づけを考えて、それを相手が納得しないことに腹を立てているという、こんな女がそばにいたら、絶対に避けて通りたい、関わり合いになりたくないような女なのだ。 22歳の現在から始まって、18歳、16歳、15歳とさかのぼって話は進んでいくのだな。 そういう話の筋の面白さとともに、この文体の面白さはなんとも気持ちがいい。いや、気持ち悪いという人もいるだろうけれど。 最初の章で「結婚」したカップルを登場させたが、最終章「15歳」では、ついにというかいよいよと言うか、両親の話がちょっとだけ出てくる。今までで初めてかも。 「アメリカミステリ傑作選・2003」は、実はまだ全部は読んでいないのです。というか、ひょっとしたらもう読めないかも。かなり頑張ったんだけど。全20編のうち14編まで読んだ。 ホートン・ミフリン社が毎年刊行しているミステリの傑作選。なのだけれど。 何が言いたかったかというと、「翻訳は難しい」ということだ。話の筋とは関係ないことなんやけど。 例えば警察官が犯人を追い詰めていく。だいたいがひとりで行動するのではなく「相棒」と一緒に。そして犯人逮捕、できるかどうか。 そんなことを考えたのは、先に金原ひとみを読んだからかもしれない。彼女の文章は今どきの日本語満載で、そのニュアンスまでも捉えていて、ちょっとした句点や読点の使い方が絶妙なのだ。 逆もまた真なり。英語で書かれた文章を日本語に直して、元々の文章の持っていた匂いとか感覚とか、どれくらい翻訳することが出来るのだろう。それには限界があるんじゃないか。ことに最近の、現代の、最新の英語となると、きっとそれまでのいろんな文体の影響を(知らず知らずのうちにでも)受けてるだろうから、元の文章を読んでその影響を受けた文体を思い浮かべてそして日本語にする。ううむ、どうも難しそうだ。 爽快!・・・・? 「天使と悪魔」を読んだ。「ダ・ヴィンチ・コード」で名をはせたダン・ブラウンの第2弾、ではなくこちらの方が先なのだな。 おなじみの(2冊しか読んでないのに)ジェットコースターストーリー。 しかしねえ。最初に殺されるのが密室で、ラングドンと一緒に解決に走り回るのがその娘。そして意外な犯人・・・と、もういろんなところが「ダ・ヴィンチ・コード」にそっくりなのがどうも気になる。 とはいえ。今回のは1時間にひとりずつ枢機卿が殺されていくという緊迫感。加えて5時間後には反物質が爆破するという、時間に追われる展開。まるで本の上の「24」みたいなものだ。だから途中で読み終わることが出来ないのだけれど。 ゲーム感覚で楽しめる。しかもバチカンの、あまり知られていない歴史や美術の秘密も語られるのだから、まあオタク的にとても楽しめるのだな。 ふと、全然関係ないけれど、ちょっと小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」を思い出した。 ダン・ブラウンはそこまで「蘊蓄好き」ではないけれど、「こんなことがあるんだよ、面白いだろう?」というのが次々に出てきて、ほんとにこの人の頭の中はどうなっているんだろうと思ってしまう。 まあ、途中はどうも都合がよすぎることがいっぱい起こるんだけど、それはそれ。ともかく、楽しく一気に読むこと。途中であれこれ考えていたら、いやになってくる。 イギリス風お笑い ウッドハウスは2冊目である。前に読んだ「ウースター家の掟」がとっても面白かったので、また読んでみたのだ。 前に読んだ「ウースター家の掟」は大長編だったが、この「比類なきジーヴス」は、解説を読むともともとは短編として発表されたものを組み合わせて、一つの長編のようにしたものらしい。たしかにひとつひとつの章ごとに、ちゃんとオチがついていて、それぞれ単独でも十分楽しい。 どの話も似たり寄ったりで、「友人の頼み事を断ってはいけない」という家訓を守るバーティーが、「我こそは親友なり」と申し出るどうしようもない連中に振り回され、さて万事休す。せっぱ詰まって危機に陥って、さてどうなる? となったときに、どこからともなく問題が解決する。問題を解決するのは執事のジーヴス。執事や召使同士の連絡網から、「小耳に挟んだ」あらゆる情報、さらには古典から現代(通俗なもの)に至るまでの文学的素養(?)を駆使して、さりげなく問題を解決していくその手腕。 解説によるとウッドハウスという人は非常に多作だったようだが、「1冊を読めば100冊が分かる」と言われるくらいに、同じような話を次々に書いていたようだ。 その笑いのセンスは、古いイギリス風のもの。 翻訳の森村たまきさんは、本職は犯罪学の法律家なのですね。ウッドハウスが好きで、たまたまこのシリーズを翻訳したと解説に書いてあったけど。 最近本を読む気力が減退しているような気がする 前の書き込みからホボ2週間か。近頃になく間が空いてしまったな。 恩田陸は、どれを読んでも外れがないような気がする。「球形の季節」(新潮文庫)はデビュー2作目なのだということは、あとがきを読んで初めて知った。だいたいしばらく前まで全然読んでいなかったし、最近の作家はどんどん新刊が出るので(といってもエンターテイメント系の作家に限ってだけど)どれが新しくてどれが古いなんていちいち考えてない。 ある田舎(といっていいだろう)の高校生の間に、ある噂が広がる。○月○日に誰某の身に何かが起きる・・・。そしてその日、確かに起こったこと。 第2作ということで、実は第1作の方法論を踏襲しているらしいのだが、第1作(「六番目の小夜子」)は読んでいないので、どう同じなのかは分からない。読んでみようかなあ。 井上雅彦監修の、文庫書き下ろし「異形コレクション」シリーズの1冊、「キネマ・キネマ」。 はっきりいうと玉石混交。僕の琴線に触れるものも(わずかながら)あり、なんかよお分からんものも(多く)あり。どれも短いものだから、ともかく知らない作家ばっかりやし、全部読んでみた。 一口にホラーって言うても、いろいろあるもんやなあ。まあ映画でも「スリラー」の範疇に入る映画はそうとう広い範囲になるやろうから、小説でも同じなんだろう。 そうそう、この本の題名「キネマ・キネマ」というので分かるとおり、どれも映画に関するホラーということになっている。それは舞台が映画館であったり、映画のキャラクターに関する話であったり、そのほかいろいろなんだけど、とにかく「映画」というキーワードで結ばれている。 そして、ホラー映画にいろいろあるように、いろいろな小説がごたまぜになっているのだね。背筋がぞっとなるようなものもあれば、完全なスプラッターもあり(僕の趣味には合わないなあ)で、それぞれ面白いのだけれどね。 これを全部読んで、ちょっと疲れてしまったのかも。 |